ひまわりっちブログ管理者
園長のひまわりです。
「自分は大丈夫!」
「自分が不適切な保育をする訳ない!」
そう思っている保育士がいるなら、その考え方はかなり危険かもしれません。
先日、Twitterでも発信しました。
人間は例外なく、感情的で自分勝手な生き物じゃ!
人間的に優れた人でも、喜怒哀楽という感情はあるものね。
この記事は、今日本で実際に起こっている不適切保育の実態を取り上げます。
あなた自身の保育が、本当に適切かどうかを問いかけるきっかけになることを願って。
「自分だけは大丈夫」
この考え方は、本当に危険だぞ。
記事の最後で、日本全国の園長先生に向けたメッセージも発信しています。
その不適切保育、園長が原因になっていませんか?
不適切保育は他人事ではない!
不適切保育なんてする訳ない
保育士なら誰しもそう思っているはず。
でもだからこそ、今一度あなた自身の保育を見直してみませんか?
不適切保育とは?
厚生労働省が令和2年度に調査した結果。
それを元に話を進めていくね。
「保育所での保育士等による子どもへの関わりについて、保育所保育指針に示す子どもの人権・人格の尊重の観点に照らし、改善を要すると判断される行為」のこと
令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業報告 – Cancerscan キャンサースキャン
不適切保育って、例えば…
以下のような保育が当てはまるわよ!
不適切な保育の行為類型
- 差別的な関わり
- 罰を与える・乱暴な関わり
- 子ども一人一人の人格を尊重しない関わり
- 物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ
- 子ども一人一人の育ちや家庭環境への配慮に欠ける関わり
当たり前のことですよね。
この『当たり前』の感覚
実は、注意が必要なのよ!
昨日の保育
今日の保育
明日の保育
日々の保育が、当たり前になり過ぎていると…
不適切保育かどうかの判断が、出来なくなってしまうんじゃよ。
だから園内研修や外部研修に参加すること!
これが大切なんだよなっ
不適切保育の実態
不適切保育は、全国の保育所で340件以上確認されています。
340件が多いとか少ないとか、そういった問題ではなく…
不適切保育はある!
この問題から目を背けてはいけない。
あなたの保育園で、以下のような行為をしている保育士はいませんか?
- 怒鳴る
- 園児を突き飛ばす
- 子どもの目の前で舌打ち
- 食事を無理やり食べさせる
- 「あっちいけ」「ブタ」などの暴言
今回の調査で、実際にあった不適切保育の一例です。
正直、15年前くらいの僕は…
怒鳴ったり、給食中にムリをさせてしまった事があります。
「不適切保育だよね」と言われても仕方ない保育だった。
一昔前は、厳しい保育が常識だった!
こんなことを言っても、ただの言い訳ですよね。
反省したから許される。
そんな単純な問題ではないわよね!
不適切保育が起こる原因
不適切保育が起こるには、当然その原因があります。
保育士の認識の問題
子どもの人権や人格尊重に関する理解や認識、知識が不足している。
極々当たり前の事のはずなのに、保育をしていると子どもの人権や人格を軽視してしまう。
イライラして…
上手くいかなくて…
子どもが言うことを聞かなくて…
保育士にも言い分があると思います。
それでも、どんな理由があったとしても、子どもの人権や人格を無視していい事にはなりません。
見本になる先輩や上司がいるかどうか。
保育士には、すごく大切なことだなっ
職場環境の問題
園長や主任の人柄や雰囲気が悪い。
また、その保育園の伝統が、保育所保育指針に書かれていることよりも優先される。
上記のような状態だと、不適切保育が起こりやすいと言わざるを得ません。
以下の状況でも、不適切保育が起きやすいんじゃよ。
余裕を持って保育にのぞめない
- 時間的な切迫や気持ちの焦りなどから、保育士本人も「本来であればそうあるべきではない」と感じている子どもとの関わり(例えば、大きな声を出してしまうなど)を行ってしまう。
- 同僚の保育士も、自分が担当する子どもを保育することにかかりきりになり、他の保育士が行う保育の不適切さを指摘する等のフォローができない。
保育を振り返る体制が整っていない
- 適切でないと考えられる関わりを保育士が行った際に、他の保育士が個別に指摘することは難しく、早い段階での改善の機会が失われ、不適切な関わりが繰り返されるおそれがある。
常に一人保育など物理的な環境の問題がある
- 不適切な保育が生じやすく、また、そうした行為が行われても他の保育士により発見されにくいため、行為を行った保育士本人も改善の機会を逸してしまう。
『不適切な保育に関する対応について』
事業報告書参照
これって、どこの保育園にも、当てはまる項目があるんじゃないかしら!
不適切保育をしないための心構え
あなた自身が不適切保育をしないために、
人間は感情的で自分勝手
「自分だけは大丈夫!」と思わないで、まずはこのことを頭の片隅に入れておいて下さい。
「自分もやってしまうかも」
- 保育士のことを信頼していないんですか?
-
決してそんな事はありません。
むしろ一人ひとりの保育士を信頼しているからこそ、不適切保育の真実をお伝えしています。
後悔しない保育士人生を送って頂くために!
人間は弱い生き物
毎日の仕事で疲れていたり、プライベートで嫌なことがあったり…
それでも毎日笑顔で、目の前の子どもたちに向き合い、真摯に保護者と向き合い、園長や主任などの人間関係に心をすり減らす!
自分を律して、常に冷静に!
どんな時でも、丁寧さと誠実さを忘れずに。
でも時には、難しい場合だってあるわよね!
だからこそ自分もやってしまうんじゃないか。
そう思っておくことが大切なんじゃよ!
「日本全国の園長へ」
声を大にして言いたい!
あなた(園長)の存在が、不適切保育の引き金になっていませんか?
僕自身が、日々自問自答しなければいけない問い。
不適切(不正解)保育を園長が助長しているかも!
園長や主任の存在が不適切保育の引き金になっているかも!
「そんな事ある訳ないでしょ」
日本全国ほぼ100%の園長が、そう答えると思います。
でも、保育士が「自分もやってしまうかも」と思い続ける事が大切なように…
園長が「自分の存在が不適切保育の引き金になっているかも」と自問自答し続けることは、すごく大切な考え方だと思います。
不適切保育は他人事ではない!まとめ
あなたが保育士なら、
「自分は大丈夫」
「自分が不適切な保育をする訳ない」
その考え方は、かなり危険じゃよ!
あなたが園長や主任なら、
「自分の園は大丈夫」
その考え方は、かなり危険かもしれないわよ!
とにかくまずは、保育所保育指針を読もうぜっ!
不適切保育は、
- 子ども
- 保護者
- 保育者
誰にとっても、悲しさと辛さと苦しさが心の中に残るだけで、何一つ良いことなんてありません。
イライラすることはあるし、思い通りにならないこともあるし、なんなら逃げ出したくなる事だってある。
だからこそ「自分は大丈夫」と思わずに…
時には心の弱さを受け止めて、ムリし過ぎないように保育が出来ることを願っています。
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